旧島津家住宅アトリエ

旧島津家住宅アトリエ(旧島津一郎アトリエ)は、島津製作所3代目社長・島津源吉の長男であり洋画家であった島津一郎のアトリエとして、昭和7(1932)年以前に建てられた木造平屋建て(中二階)のアトリエ建築です。

島津家は、佐伯祐三や中村彝(つね)など多くの芸術家が居を構えた旧目白文化村にほど近い落合に、現在の林芙美子記念館や四の坂テラスの敷地を含む一万坪もの広大な屋敷を所有していました。

敷地内には、和洋折衷様式の二階建ての源吉の邸宅の他に、長男一郎のアトリエ、娘婿の洋画家・刑部人の住宅アトリエなどが建てられていました。

島津家は1942(昭和17)年に京都に本邸を移し、敷地建物は売却されましたが、当時の建物で唯一現存するこのアトリエは、その後何代かの所有者の手を経て現在に至っています。

設計者は当時落合に居住していた吉武東里(1886〜1945)とされ、国会議事堂や横浜税関庁舎の設計を担当した建築家として知られています。